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 NASのバックアップ対象ディレクトリをinotifyで監視して更新されたディレクトリのみをrsyncでミラーリング

2020. 4. 21 (火)
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前回書いたミラーリングと世代管理バックアップの2系統のスクリプトのうち、ミラーリングのほうのスクリプトについてパフォーマンスアップの修正を行ないました。

前回のスクリプトでは大まかな流れとしてduコマンドの結果を元に更新対象ディレクトリを絞り込んでrsyncに渡すという動作を行なっていましたが、監視対象内のサブディレクトリ数が多くなるとduコマンドの実行時間もそれなりにかかるようになるので、この部分をinotifywaitコマンドでの監視に置き換えています。

inotifywaitを使えるよう準備

inotify-toolsがインストールされていない場合inotifywaitコマンドも使えませんので、その場合はまずinotify-toolsをインストールします。

inotify-toolsをインストール(Debian系の場合)

$ sudo apt install inotify-tools

inotifywaitで監視可能な対象数はデフォルトで8192になっているかと思いますが、NAS全体を監視対象にしようとするとサブディレクトリ数も多くなり8192では不足する場合もままありますので、環境に合わせてこの設定を増やしておきます。

設定値の確認

$ cat /proc/sys/fs/inotify/max_user_watches

この設定は再起動すると初期値に戻ってしまいますので、起動時に自動で設定されるようにしておきます。
いくつか方法はありますが、私はrc.localに追記しました。

$ sudo nano /etc/rc.local

以下を追記

sysctl fs.inotify.max_user_watches=262144

以降は前回と同じ方法でmirroring.phpの実行設定をすれば完了です。

スクリプト

ディレクトリの更新監視にinotifywaitを利用してはいますが、更新があった場合に自動的にmirroring.phpが実行されるわけではなくmirroring.phpはこれまで通りcronで定期的に実行し、スクリプト内でinotifywaitのログを参照することでその間に更新のあった監視対象内のサブディレクトリを取得してrsyncに渡すという動作になっています。

ここまで書いておいて何ですが、inotifyで監視してrsyncで同期という流れはLsyncdと似たようなことをしているわけなので、人によっては素直にLsyncdを導入したほうが楽かもしれません。

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