«

 Raspberry Pi Zero用 簡易UPSの作成

2019. 4. 26 (金)

電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)を使用して、ラズパイZero用の簡易UPSを作成してみました。
あくまでACアダプターが不意に抜けたり停電が発生した場合に安全にシャットダウンさせるだけの時間的猶予を確保するのが目的で、これだけで長時間稼働させられるものではありません。
(コンデンサの容量やラズパイの動作状態にもよりますが、数分程度です)
Zero基準で作ったものですので、消費電力の大きなモデルでは各パーツを適宜変更する必要があるかと思います。

回路と主な使用パーツ

■電気二重層コンデンサ
5V 10F程度あれば、アイドリング状態のラズパイZeroを2~3分程度稼働させる電力が得られます。
(電圧はDC-DCコンバータ等で5Vに安定化する必要があります)
私は手元に2.7V 3.3Fのものがいくつかあったので、これを4並列x2直列で5.4V 6.6F相当として使いました。
5Vでの充電なのでコンデンサの耐圧まで0.4V残っていますが、これくらいであればマージン分と割り切ってもいいでしょう。
気になるようなら充電側にもDC-DCコンバータを入れて充電電圧を5.4Vにする手もあります。
並列は単純に繋げば大丈夫ですが、直列部分はバランス抵抗を入れるなどして均等に電圧がかかるようにしないと、充電状態のばらつきなどで耐圧を超えて充電されてしまうものが出る場合があるので注意が必要です。
面倒であれば最初から耐圧5V以上のものを使ったほうが良いですね。
例えばこれなんかはサイズの割に容量も大きくて良さそうです。
耐圧5.6Vですが、USB ACアダプタの5Vで充電、DC-DCコンバータにTPS63020(最低動作電圧1.8V、変換効率約90%)を使うと仮定して、消費電流500mAの機器で6分弱、150mAの機器であれば20分弱稼働できる計算になります。
コンデンサの静電容量を電池の放電容量に置き換えて考えるために以前作成した変換スクリプトもありますので、使いたいコンデンサの容量を決める際の目安にどうぞ。

TPS61020可変型低電圧DC-DCコンバータモジュール
テキサス・インスツルメンツ社のTPS61020を搭載した、Strawberry LinuxさんのDC-DCコンバータモジュールです。
電気二重層コンデンサは電池と違って直線的に電圧が下がっていくので、このコンバータでラズパイを動作させるための5Vに変換するために使用します。
入力電圧0.9Vまで動作してくれますので、電気二重層コンデンサに溜めた電荷を結構無駄なく使ってくれます。
500mA程度の負荷電流を供給できるのでラズパイZeroであればまだ余裕がありますが、ラズパイ3などではより大きな負荷電流を流せるTPS63020等を検討する必要があるかもしれません。

■ショットキーバリアダイオード SBM1045VSS
コンデンサの電流逆流防止用

定電流源IC NSI50350AS
電気二重層コンデンサは容量が空の時には抵抗がほぼ無く、ゼロからの充電開始時は電源ラインを短絡したのと同様の状態になってしまい、使用している電源によっては負担やダメージを与えてしまいますので、これで電流を制限しています。
350mAを3個並列で使って約1A相当で制限がかかるようにしました。
ラズパイ3等ではここも余裕を持たせる必要があるかと思います。

■各抵抗
アダプタから5Vが供給されている場合と、供給が切れて電気二重層コンデンサ駆動になった場合とでの状態変化をGPIOへ送る電圧を作っています。
この抵抗値の組み合わせだと、他のパーツとの兼ね合いもありますがアダプター供給時に2.4~2.6V前後、供給が切れた時に0.2~0.4V前後になります。
3.3Vと0Vできっちり分かれていませんが、これくらいの電圧であれば迷うことなくHIGH/LOWを判別できるようです。

スクリプト

該当GPIOピンの状態を監視して、アダプターからの電源供給が断たれて15秒経過したらシャットダウン、15秒以内に電源の供給が復帰したらそのまま続行という流れで動作させています。
起動時に自動実行するよう /etc/rc.local に追記して使っています。

実装例と動作の様子



前回記事で電波時計リピーターを作成しましたが、私は今回はその基板の空きスペースにUPSを追加する形で実装しました。
ラズパイZero本体に加えて基板自体も電気二重層コンデンサでのバックアップ範囲としてあるのでラズパイ本体のみの場合よりも猶予時間が短いですが、それでも実測で1分半は持っていますので、最初の15秒を復帰猶予時間としてその後シャットダウンさせても十分間に合っています。

おまけ

稼働時間計算機

電気二重層コンデンサ
静電容量(F)
充電電圧(V)

DC-DCコンバータ
最低動作電圧(V)
変換効率(%)

負荷
電圧(V)
平均消費電流(mA)

稼働時間:

«

Comments are closed.